
包茎の種類や治療、手術が必要な包茎ってどういったものがあるの?
テレビや雑誌、Web広告などで「包茎」手術を勧める広告を目にしたことのある人は多いでしょう。日本人には包茎が多いと言われ、ある調査では日本の成人男性の6割は何らかの種類の包茎であると答えています。
そもそも包茎とはどういうものでどういった種類があるのか知っていますか? ほおっておくとどうなるのか、絶対に手術しなければならないものなのか、など、意外と知らない「包茎」についてご紹介します。
そもそも包茎とは
「包茎」と一言で済ますことが多いですが、実際に包茎とはどういう状態のことを指し、どんな種類があるのかについてまずは簡単にご紹介します。
包茎とは
生まれたばかりの男の子のペニスは、亀頭部分が包皮に覆われている状態になっています。第二次性徴期に入りペニスが成長すると、包皮が自然に剥けてゆき、亀頭が露出した状態になる人と、包皮が亀頭を覆ったまま通常状態では亀頭が露出しない状態のままになる人とに分かれます。
この、包皮が亀頭を覆ったままで亀頭が露出しないタイプのことを一般的に「包茎」と呼びます。
包茎自体は病気でも何でもなく、そういう状態、というだけです。
包茎の種類によっては手術する必要がない
包茎がなぜ問題になることがあるかというと、亀頭を包皮が覆っていることで垢や汚れがたまりやすく、最近の発生をまねいて病気や臭いの原因となるからです。不衛生になりがちなことから女性に敬遠される要因にもなります。
手術を勧める広告は、そういった男性のコンプレックスをうまく突いてきます。
ですが、包茎であるから、という理由だけで手術をする必要はありません。手術が必要な包茎は、自分が包茎だと自覚している人の1割程度だという統計もありますよ。
包茎の種類
包茎には種類があり、その大半は手術の必要のない包茎だとご紹介しました。
では、種類を詳しくみてみましょう。
仮性包茎
包茎だと自覚している人のほとんどが「仮性包茎」で、最も多いタイプです。
通常状態では亀頭が包皮に包まれています。そして勃起すると自然に包皮が剥けて亀頭が露出するタイプと、手で剥くことで亀頭が露出するタイプに分かれます。
いずれにせよ医学的には何の問題もなく、当然手術も不要です。
清潔を保つよう、入浴時にきれいに洗うことを心がけていればまず大きなトラブルはありません。医学的に何の問題もなく、いわば「普通」の状態であるため、どうしても手術をしたいと希望する場合は美容目的となり、保険は適用されません。
真性包茎
「真性包茎」とは、勃起状態になっても亀頭が包皮を覆ったままで、手を使っても包皮を剥いて亀頭を露出できない状態の包茎です。
先天的に包皮の先が狭くて剥けないタイプと、炎症等が理由で亀頭と包皮が癒着を起こしてそうなってしまったタイプがあります。
真性包茎の場合は、程度によっては治療を受けることをおすすめします。
包皮の先を広げる矯正器具を使用したり、ステロイド剤を使用したりすることがほとんどです。手術が必要となる場合でも比較的短時間で終わり、傷跡もほとんど残りません。泌尿器科での手術であれば保険適用内ですので、費用面でも安心です。
カントン包茎
「カントン(嵌頓)包茎」とは、途中で引っかかったりとスムーズに亀頭を露出できない状態の包茎です。第二次性徴期でうまく亀頭を露出できないまま成長してしまったり、真性包茎の人が自力で無理やり包皮をむこうとしてなってしまうケースもあります。
痛みや違和感のある場合は、すみやかな治療や手術が必要な状態です。
手術は真性包茎と同じく泌尿器科であれば保険適用内です。
包茎を放っておくとどうなるのか
包茎の種類と、手術が必要な場合についてご紹介してきました。では、包茎を放っておくとどうなるのでしょうか。
仮性包茎を放っておくと
前述したとおり、仮性包茎の場合は手術や治療の必要はありません。
仮性包茎のデメリットとしては、普段包皮が亀頭を覆っていることで亀頭部分の俗に「カリ首」と呼ばれる部分や包皮の内側に垢や汚れがたまりやすいこと。嫌な臭いの原因になるだけでなく、細菌が繁殖しやすいため感染症の原因にもなります。
とにかく清潔を心がけることが大切です。
真性包茎を放っておくと
真性包茎の場合は清潔を保つことが難しいため、臭いの問題のほか、垢や汚れがたまって炎症や感染症を起こしやすいというデメリットが一番大きいでしょう。
性行為で相手にも感染症を引き起こす危険性が高いです。
また、無理に引き剥がそうとすると出血したり、カントン包茎になる可能性もあります。
性行為中に痛みを感じ、勃起不全や正常な性行為の妨げになることも。
包皮の状態によっては排尿時に力まないと出ないなどの問題を起こすことがもあります。ごく稀ですが、それが原因で尿路閉塞性疾患や膀胱拡張、症状によっては腎不全にまで進む危険性も。
包茎の種類でもご紹介したように、真性包茎の状態によっては治療や手術がおすすめです。
カントン包茎を放っておくと
カントン包茎は衛生上の問題で感染症の原因となるほか、剥いた状態になった際、圧迫感や痛み、締め付けがあると正常な性行為が難しいことも。
包皮による亀頭への締め付けがきつい場合にはうっ血を起こし、亀頭部分の細胞が壊死に至ることもあります。
速やかな治療や手術が必要です。
包茎の治療・手術の相談は何科?
包茎の手術は、泌尿器科か美容整形のクリニックで受けています。
真性包茎などの程度では、手術ではなくステロイド剤での治療などですむ場合もありますので、まずは泌尿器科を訪れてみましょう。
泌尿器科で手術が必要となったら、その時点で泌尿器科で手術を受けるか美容整形クリニックで受けるかを検討すると良いでしょう。
泌尿器科とクリニックでの手術の違いは、費用と見た目です。
泌尿器科では、あくまで「治療」のための手術となりますので保険適用内になります。症状緩和が目的のため、術後の見た目は考慮されないことも。手術自体は保険適用で2~5万円が相場です。
美容整形クリニックの場合は見た目優先になり、保険の適用外です。また、仮性包茎の場合は泌尿器科で保険適用手術を受けられないため、どうしても見た目をよくしたいという場合は美容整形クリニックでの手術になります。
仮性包茎の場合は状態によって5~15万。真性包茎や仮性包茎の場合は20万前後が相場と言われていますが、包茎状態の個人差やクリニックによってもかなり金額に差が出てくるので、事前に必ず確認が必要です。手術それ自体の費用のほか、アフターケアにもお金がかかります。
まとめ
そもそも包茎とは何か、また包茎の種類や種類ごとの対応についてご紹介してきましたが、参考になりましたか。
治療や手術でクリニックをお考えの方も多いかもしれませんね。包茎の状態やクリニックによって手術方法や費用は変わりますので、何軒かで相談し、納得のいく選択をしてくださいね。