
EDをあきらめない! ED治療やED治療薬について正しい知識を
EDの治療について
「ED」とは男性性機能障害のひとつで「勃起障害」のこと。男性不妊の原因のひとつでもあります。人によっては「インポテンツ」という言葉の方が分かりやすいかもしれませんね。
原因や程度はさまざまですが人知れずEDに悩んでいる男性は多くいます。
EDとはどういう症状なのか
「ED」という言葉はよく耳にしますが、そもそもどういった症状のことを「ED」と呼ぶのでしょうか。
基本的には、性欲があっても勃起ができないもしくは持続しない状態のことです。一時的に勃起できない状態になることはままあることで、それはEDではありません。EDと呼ばれるのは以下の症状の場合です。
- 今まで一度も勃起したり勃起が持続できたことがない。
- 勃起はできるが性交中勃起を維持できない。
- 以前は勃起できたが加齢等により勃起を維持できなくなった。
EDの状態は軽度から重度まで人によって様々ですが、いずれにせよなかなか人には相談しにくい症状です。EDという言葉が広まるまでは「疲れのせいだ」「歳をとったから仕方がない」などと本人にも障害であるという認識が薄かったようです。
ですが今では、EDが治療可能な男性機能障害のひとつであるという認識が高まってきました。
EDの主な原因
EDの原因とされているものには、大きく分けて4つあります。
- 心因性:機能的には問題がないが、何らかの心理的な要因で勃起できない
- 器質性:勃起に関する各神経や海綿体、血管系など問題や、外傷、手術の後遺症
- 混合性:上記2つの混在
- 薬剤性:薬の副作用としてのED
いずれの場合も病院で原因を特定し、治療することが可能です。
EDは治療可能である
医学的にEDと診断される基準はありますが、基本的には勃起とその維持ができないことによって本人やパートナーが困っていたり、不満・不安を抱えている場合はEDとして治療をすることができます。
EDは何科? 治療費は?
では、EDのことを相談したい場合何科に行くのが良いのでしょうか。
基本的には、泌尿器科が確実です。最近では、男性性機能障害に特化したクリニックや、総合病院の中にED外来・男性機能性障害外来をもうけているところも。
不妊治療を考えている夫婦の場合は、不妊治療を担当する医師に相談して適切な医療機関を紹介してもらったり、そのままそこで治療を受けることもあります。
気になる治療費ですが、残念ながらED治療・ED治療薬は現在保険適用がされません。ホームページで費用目安を記載している医療機関も多いのでそれを確認するか、事前に電話などで問い合わせてみてください。
診察ではどんなことをするのか
身長や体重、既往歴や常備薬、喫煙・飲酒歴などの基本的なことを聞かれます。特に常備薬に関しては、ED治療薬との飲み合わせができない種類のものがあるので、必ず正確に申告するようにしましょう。そのほか、医療機関によって様々ですが、EDの程度を把握するため自己申告の問診票提出を求められることが多いかと思われます。
必要があれば心電図や血液検査なども行われます。
治療の種類
薬害性、つまり飲んでいる薬の副作用であることが明らかな場合は、医師の指導の下でほかの薬に切り替えます。
心因性の場合などでカウンセリングが入る場合もありますが、基本的にはED治療薬の処方が中心です。
EDの治療薬について
ED治療薬とは、そもそもどういったもので、どんな種類があるのでしょう。ED治療薬には現在「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」という3種類の薬が出ています。いずれも錠剤で、PDE5阻害薬と呼ばれます。
通常男性が性的な刺激を受けると、cGMPという血液拡張の働きをする物質が放出されます。この物質がペニスの血管を拡げ、海綿体に血液を送ることで勃起するのです。
このcGMPが放出されっぱなしになると勃起は収まりません。そこで通常は射精するなどで性的興奮が収束すると、PDE5というcGMPを壊す役割を持つ酵素が放出されて勃起を収束させます。
EDの男性の場合は、血管を拡張させるcGMPの出が悪いにもかかわらずPDE5は出続けるために勃起しない・勃起を維持できないのです。そこでPDE5をブロックすることでcGMPの放出を邪魔しないというのが、ED治療薬の仕組みです。
EDの治療で薬を使うことに抵抗のある方もいるかもしれません。
実際、ある調査でED治療薬の服用経験は調査対象全体の3%にとどまりました。ですが、実際にED治療薬が自分の性的魅力に影響を与えたかの調査では36%が影響を与えたと回答しています。また、ED治療薬を服用した男性の妻やパートナーへの調査では、35%の女性が満足を感じていると回答しました。
保険が使えないため費用がかかるというデメリットは大きいですが、悩みを抱えているよりも、思い切って一度、治療薬を試してみるのも一考です。
ED治療薬の比較
3種類のED治療薬について違いをまとめました。体質や既往症・との相性もありますので、最終的には医師の判断になるかと思います。
なお、効き方や副作用には個人差があります。
この薬はダメだったけど、こっちはよく効くなど、体質と成分による相性もありますので参考程度に診てください。
バイアグラ
製薬会社 | ファイザー製薬 |
成分 | シルデナフィル |
料金 | 50mg1錠1500円前後 |
服用 | 性行為1時間前 |
作用目安時間 | 5時間 |
副作用 | 顔の火照り、めまい、頭痛、消化不良など |
レビトラ
製薬会社 | バイエル薬品 |
成分 | バルデナフィル |
料金 | 20mg1錠2000円前後 |
服用 | 性行為1時間前 |
作用目安時間 | 20mgで4~8時間程度 |
副作用 | 顔の火照り、頭痛、鼻づまり、動悸、消化不良など |
シアリス
製薬会社 | 日本新薬 |
成分 | タダラフィル |
料金 | 20mg1錠2000円前後 |
服用 | 性行為3時間前 |
作用目安時間 | 20mgで30~36時間 |
副作用 | 顔の火照り、頭痛、消化不良、背中の痛み、筋肉痛、鼻づまり、四肢痛など |
*価格についてはあくまで目安です。クリニックにより上下があります。バイアグラに関しては、ジェネリック薬も発売されています。
まとめ
EDの治療や治療薬について解説してきましたが、参考になる記事はありましたか? EDは個人の状況や年齢を理由にあきらめてしまうような症状ではありません。豊かなセックスライフを送るために、そしてパートナーとためにも、是非治療という選択肢を視野に入れてみてください。