
性病には潜伏期間が存在!性病の正しい知識を持って適切に対処を
心当たりのある不安なセックスをした場合、性病はいつ頃発症するのでしょう。また、不安な症状が出ている場合、性病の検査はいつから可能なのでしょうか。
早期発見と早期治療が大切な性病ですが、発症時期や検査を受ける目安をしっかりと把握しておかなければ、正確な検査結果を得られない場合があります。その理由は、性病の病原体にそれぞれ潜伏期間が存在するから。
そのため、性病検査は、遅すぎはもちろん、早すぎもNG。昨日思い当たるセックスをして今日検査、となると本来陽性のはずの検査結果が『陰性』になってしまう可能性があるんですよ。
そこで、性病の潜伏期間を徹底解説。性病について正しい知識を持ち、適切に対処していきましょう。
性病とは
性病の潜伏期間を把握する前に、性病とはどのような症状の出る病気なのか、まずは性病についての理解をしっかりと深めていきましょう。
性感染症とは
性病とは、性行為を介して感染する病気のことです。ちなみに、性病という言葉、実は一昔前の呼び方。法改正があり、現在では『性感染症(STD)』と呼ばれています。
性感染症の種類によっては、発症していても症状が出にくい場合があり、知らず知らずのうちに感染を広めてしまう危険性も。性行為をする機会がある方なら、誰にでも起こりうる身近な病気と言えます。
ちなみに、主な性感染症には、次の種類がありますよ。
- 淋病
- クラミジア
- 梅毒など
これらは、セックスはもちろん、オーラルセックスやアナルセックス、ディープキスなどでも感染し、さらにたった1回の性行為で感染してしまう可能性があります。
予防のポイント
性感染症は誰にでも起こりうる病気ですが、正しい知識を身につけることで予防することができます。予防のためのポイントをここでしっかり押さえておきましょう。
SAFE SEX(パートナーを限定して安全なセックスをする)
複数のパートナーとの性行為は、感染する機会を高めてしまうため危険です。特定のパートナーとのみ性行為をするようにしましょう。
ただし、セックスパートナーがお互いのみであること、感染していないことが確実なパートナーであること、が前提条件。
SAFER SEX(コンドーム着用でより安全なセックスをする)
性感染症の予防には、バリアの役割を果たすコンドームが有効です。病原体の侵入を防ぐため、性行為のはじめ(勃起後すぐ)から終わりまでしっかり着用しましょう。病原体が喉から感染するケースもあるため、オーラルセックス時のコンドーム着用も必須です。
尚、性感染症は、性器同士の接触だけでなく、口や全身の皮膚などから感染してしまう場合もあります。コンドームだけでは予防できない性感染症(梅毒など)があることも押さえておきましょう。
これにギクッとしたあなたは性病かも
「なんとなく違和感がある…。」今現在、カラダに何らかの異変を感じ、さらに下記項目に当てはまる症状と一致するのなら、性感染症に感染している可能性も考えられます。性感染症を確実に完治させるカギは早期発見。早速、性病が疑われる症状を確認していきましょう。
男性 | 女性 |
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性感染症は、感染していても症状が軽いことが多く、無症状のケースも少なくありません。そのため、気づかないまま放置してしまう危険性もあります。少しでも不安を感じていたり、カラダにちょっとでも違和感があるような場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
2.性病の潜伏期間
性病の基礎知識と予防のポイントを把握したところで、ここからは早速性病の潜伏期間を確認していきましょう。
- 淋病
- クラミジア
- 梅毒
上記3つの主な性病について詳しく迫ります。
淋病
淋病とは、その名の通り、淋病という細菌による感染症のこと。セックス・オーラルセックス・ディープキスなどにより感染します。尚、感染してから症状がでるまでの潜伏期間は2~7日。検査時期の目安は、心当たりのある性行為から1~2週間程度経過後です。
- 病原体:淋病
- 感染経路:セックス・オーラルセックス・ディープキスなどの性的接触による粘膜との直接接触
- 潜伏期間:2~7日
- 検査できるまでの期間:性行為から1~2週間後以降に検査
淋病の主な症状は、次の通りです。
男性 | 女性 |
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クラミジア
クラミジアとは、クラミジア・トラコマティスという病原体による感染症のこと。セックス・オーラルセックス・ディープキスなどを介して感染する、日本で最も多くみられる性感染症です。尚、感染してから症状がでるまでの潜伏期間は1~3週間。検査時期の目安は、心当たりのある性行為から2週間程度経過後です。
- 病原体:クラミジア・トラコマティス
- 感染経路:セックス・オーラルセックス・ディープキスなどの性的接触による粘膜との直接接触
- 潜伏期間:1~3週間
- 検査できるまでの期間:性行為から2週間後以降に検査
クラミジアの主な症状は、次の通りです。
男性 | 女性 |
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梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体による感染症のこと。セックス・オーラルセックス・アナルセックス・ディープキスなどを介して感染し、長期間無治療で放置すると、命を落とすこともある病気です。尚、感染してから症状がでるまでの期間は約3週間。検査結果の目安は、心当たりのある性行為から4週間程度経過後です。
- 病原体:梅毒トレポネーマ
- 感染経路:セックス・オーラスセックス・アナルセックス・ディープキスなど、性的接触による皮膚や粘膜との直接接触
- 潜伏期間:約3週間
- 検査できるまでの期間:性行為から4週間後以降に検査
淋病は、放置すると第1期~4期へと症状が徐々に進んでしまいます。心臓血管系や中枢神経系が侵され、死に至ることもあるので要注意。また、妊婦が梅毒に感染していた場合、胎盤を通して胎児に感染し、死産・早産・新生児死亡・奇形などの先天梅毒を発症する可能性があります。
第1期梅毒(感染後約3週間~) |
※初期硬結・硬性下疳ともに痛みを伴わないのが特徴。また、無治療でも数週間で軽快していきます。 |
第2期梅毒(感染後数ヶ月~) | 第1期までに治療を終了しなかった場合、第2期梅毒が出現。
※バラ疹は、治療をしなくても自然に消失しますが、その後再発を繰り返します。また、消失しても病原体は体内に残ったままであり、梅毒が治ったわけではありません。 |
第3期梅毒(感染後3年~) | 第2期までに治療を終了しなかった場合、第3期梅毒が出現。
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第4期梅毒(感染後10年~) | 感染後、無治療で10年程度経過すると、第4期梅毒が出現。
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3.性病への対処のポイント
では、万が一性感染症に感染している疑いがある場合、どのように対処すればよいのでしょうか。最後に、対処のポイントについて確認していきましょう。
早期発見・早期治療のためには定期検診を
何度もご説明している通り、性感染症を完治させるためには、早期発見、そして早期治療が何よりも大切。治療が遅れれば、その分症状はドンドン悪化してしまいます。
性感染症によっては、症状が軽く、また無症状の場合もあるため、気づかないうちに病状が進行してしまうこともあるので要注意。パートナーへうつして、病気を蔓延させてしまう危険性もあります。
何かカラダに違和感を覚えたり、思い当たる不安なセックスの経験があるのなら、病原体の潜伏期間を踏まえた上で、早めに泌尿器科(男女ともに)や産婦人科(女性)などの医療機関を受診するようにしましょう。
仕事などで性行為の機会が多い場合には、症状が出ていなくても定期検査を受けることをオススメします。早期発見に努めましょう。
4.まとめ
性病には、いくつかの種類があり、それぞれ症状や潜伏期間が異なります。心当たりのある不安なセックスをした場合、一刻も早く検査を受けたいところですが、潜伏期間中はたとえ感染していても『陰性』の結果が出てしまう可能性があるんですよ。
性病の潜伏期間やそれを経てあらわれる症状をしっかりと把握し、適切な時期に必ず検査を受けるようにしましょう。
また、性病の症状は軽いことも多く、感染していることに気づかず放置してしまうことが少なくありません。性病を予防するポイントは、感染していないことが確実な特定の相手と、コンドームを着用して性行為すること。仕事で性行為の機会が多い場合などには、定期検査をオススメします。
性病は、正しい知識を持って適切に対処していきましょう。