
一体何が原因?生理中に起こる関節痛を解消する方法を紹介
月に一度女性にやってくる、生理。ナプキンやタンポンで処理をしたり服に染みださないか心配したり、経血の対処だけでも大変なのにそれに加えて下腹部の生理痛や気分の落ち込み、イライラなど多くの不調が現れる憂鬱な期間です。
その中で生理中に体に現れる痛みというと下腹部の痛みが代表的ですが、「時々関節痛がある」という人はいないでしょうか?生理中やもしくは生理前に体の節々が痛む、風邪かなと思って熱を計ってみたら特に平熱で不思議に思っていたら生理が来た…そのような生理中の関節痛には、女性ホルモンが関係していることがあるのです。
今回の記事では生理中の関節痛に悩む女性たちに向けて、生理中に関節痛が起こる原因やそれを解消する対処方法について紹介していきます。
生理中の関節痛は何が原因?
そもそも、生理中の関節痛は一体何が原因で起こっていることなのでしょうか?
生理中や生理前に起こる関節痛の原因についてまずは知っていきましょう。
生理前の関節痛は月経前症候群(PMS)の症状
生理前に関節痛が起こるという場合は、月経前症候群の症状であることが考えられます。
月経前症候群とはPMSと呼ばれることもあり、生理の始まる3日~10日くらい前から女性の体に現れる不調の総称です。月経前症候群の症状には個人差があり、毎月仕事や学校を休まなければならないほどに辛いという人もいれば、全くないという人もいます。
何故起こるのかという原因については未だはっきりとしたことはわかっていませんが、生理周期に関係した女性ホルモンの分泌量の変化のせいだと考えられています。
生理中の関節痛には黄体ホルモンが影響している
生理前の関節痛は月経前症候群の影響と考えられますが、では生理中の関節痛についてはどのような原因が考えられるのでしょうか。
主な原因としては、黄体ホルモンの分泌が増えるためだと言われています。プロゲステロンとも呼ばれる黄体ホルモンは排卵直後から卵巣で作られ、活発に分泌されます。黄体ホルモンは妊娠において重要な役割を担っており、子宮内膜を厚くし、受精卵を着床しやすくしてくれるのです。
他にも流産のリスクを抑えたり乳腺を発達させたりと、女性の身体にとってなくてはならないホルモンなのですが、同時にデメリットもありそのひとつが生理中の関節痛だと言われています。子宮内膜が厚くなることにより子宮が膨張し、それによって子宮近くにある股の関節に痛みが発生しやすくなるのです。
また、黄体ホルモンの分泌は女性の身体が妊娠に備えて変化しようという状態の表れとも言えます。胎児を育てるためにいつもよりも栄養や水分を身体に蓄えておこうという作用で体重が増加する傾向にあり、それによって身体を支える足の関節などにも関節痛が現れることがあるのです。
特にひどい場合は月経困難症の場合も
生理中の関節痛が酷くベッドから起きられないなど行った場合、それは月経困難症である場合があります。
月経困難症とは生理が原因で現れる不調により、日常生活が普段通りに過ごせなくなる症状のことです。下腹部の生理痛が酷く立ち上がれなかったり、会社に出勤できないほどの頭痛や吐き気があると言った生活に支障をきたしている状態のことを言います。
また、痛みなどの症状がなくても経血量が妙に多かったり期間が長いなど、通常の生理とは違う状態であることも月経困難症として扱われる場合があります。
月経困難症は、特に原因となるようなものがない場合もあれば、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気のサインである場合もあります。あまりに酷い関節痛が生理周期になると必ず来る、または年齢を重ねたら急に生理痛が酷くなったという場合は一度婦人科を受診することをおすすめします。
生理中の関節痛を解消する方法
「生理中だから仕方がない…」と思っていてもつらい関節痛。
そんな生理中の関節痛を解消するセルフケアの方法について、紹介していきます。
生理中の関節痛は生理後半につれ和らぐ
生理によって生じる症状には個人差がありますが、主に関節痛が酷くなるのは生理前半であることが多いです。
生理前半は経血量が多く、また、下腹部痛や腰痛などの生理によって引き起こされる他の症状も現れやすいため、生理中の関節痛も生理前半の方が酷いことが多いのです。
一般的に生理は日数が経つにつれ経血量が少なくなっていき、生理中の不調も和らいでいきます。そのため、生理前半に関節痛が酷くても、後半に行くにつれて改善されていくこともあるのです。
体を冷やさず温めることを心がける
生理中に身体の冷えは禁物です。冷えにより生理痛が悪化すると、お腹、腰、背中、などどんどん違う場所へ痛みが広がっていく場合もあります。
特に関節痛があるときは、患部を冷やさず温めるのが効果的。痛みを感じる部分はもちろん、冷えやすい手足の末端や身体全体を温めるように心がけましょう。足湯や湯たんぽなどがおすすめですが、準備が大変という場合は使い捨てカイロを使うのが手軽でお金もあまりかからずに便利です。
また、夏場冷房の効いたオフィスで仕事をするなど身体を冷やしやすい環境にある場合は、ブランケットを用意するなどして、必要以上に身体を冷やさないようきちんと予防することが大切。生姜湯や温かいお茶を飲むなど身体の中から温めることも心がけましょう。
軽いストレッチでむくみを取る
生理中は身体がむくみやすく、またコリもひどくなる場合があります。
そんな時は軽いストレッチやマッサージなどの運動をするようにしましょう。ストレッチを行うことにより血行が良くなり、関節痛が和らぎます。腰を回す、痛みを感じる患部をマッサージするなど適度に行うようにしましょう。
また、生理中だけでなく普段から肩こりなどから生じる体の痛みやコリを感じやすいという人は、お風呂上りなどにマッサージをする習慣をつけるのもおすすめです。定期的にストレッチをしていれば、体のコリが減り身体もむくみにくくなります。
血行を良くする食材を食べる
生理中の関節痛を緩和させるには、食事にも気を遣うと効果が得られる場合があります。
ジャンクフードやいつも同じ食材ばかりを食べているなど、一定の栄養素しか摂れない食事をしていると、血行が悪くなり、体を内側から冷やすことにも繋がります。
そのため、血行をよくする食材を毎日のメニューに取り入れ、定期的に食べていくようにしましょう。
おすすめはビタミンEを多く含む食べ物。アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類や小麦や緑茶に含まれています。また、ビタミンB6はむくみの改善にも効果がありますので、マグロやかぶ、バナナなどを食事に取り入れるのもおすすめです。
無理せずゆっくり休む
身体の不調には精神面も大きく関係しています。そのため、生理中には無理をして動こうとせず、「やれることだけやる」ということを心がけてください。
生理中はホルモンバランスのせいでイライラしがちな時期。無理をしてミスをすると余計イライラが募ったり、憂鬱な気分になってしまう場合があります。
それだけではなく、自律神経のバランスが崩れることにより血管が収縮し血行が悪くなるため、生理中の関節痛が酷くなってしまう場合があるのです。
生理中は無理をせず、家で休めるようなら好きなアロマを炊いたり本を読んだりして、ゆっくりとリラックスして過ごすことを心がけましょう。
まとめ
下腹部の痛みや経血量の多さで、動くのも億劫という人もいる生理中。そんな生理中に関節痛まで起これば、憂鬱な気分になってしまうのは当たり前です。
生理中の嫌な関節痛を和らげてできるだけ負担なく生活をするためには、関節痛を酷くしないために適切な対処をしていくことが重要。そして、生理で辛いときは無理をせず、周りの人に助けてもらうことも忘れないようにしましょう。
生理中には無理をせず、リラックスして生活することが、関節痛や生理中の不調を和らげることに繋がっていくのです。