
生理が1日で終わる場合、考えられる4つのパターンとは?
毎月やってくる生理。健康で安定している方だと、月経周期(その月に生理が始まってから、次の月の生理が始まるまでの日数)は約25日〜38日。生理が続く期間は約3~5日間だと言われています。
しかし、それはあくまでも目安。いつもより生理が始まるのが遅かったり、生理の期間が短いこともあります。
ただ生理が1日で終わった場合には「過少月経」と言われ、病気または妊娠したのではないかと不安になる女性は多いはず。今回はそんな女性の疑問に答え、生理が1日で終わった場合に考えられる原因について解説します。
生理
まずは、生理には変わりなくても量が通常よりも少なかったというパターンです。特に何かの病気というわけではないのですが、女性ホルモンの具合によっては出血量が少なくなってしまうこともあります。
それでは具体的に原因について解説していきます。
年齢による女性ホルモンの分泌の低下
特に年齢が30代半ばに差し掛かった時に、生理がすぐ終わってしまったという現象が頻繁に起こることがあります。その場合、出血量が少なくなってしまう原因として、年齢による女性ホルモンの分泌の低下が考えられます。
そもそも女性の身体は、女性ホルモンが分泌されることで生理が始まります。女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類。そのうちエストロゲンは、子宮内膜を厚く柔らかく発育する役割を持っています。
年齢を重ねると、このエストロゲンの分泌が低下するのと比例して子宮内膜が少なくなり、生理期間も短くなるのです。
女性ホルモンのバランスが崩れている
もう1つ考えられるのは、女性ホルモンのバランスが崩れているという原因です。
先ほど紹介した女性ホルモンのうち、プロゲステロンは子宮内膜をはがして外に出血として出す役割を担っています。そのためホルモンバランスが崩れているとプロゲステロンの分泌が低下し、しっかり内膜をはがすことができずに、出血量が少なくなってしまいます。
またホルモンバランスの崩れは、ストレスや不健康な食事、睡眠不足などが原因と考えられています。
着床出血を生理と勘違いしている
次に考えられるのは、着床出血を生理と勘違いしていたというパターンです。
これは妊娠初期症状の1つで、生理1週間前から生理予定日頃に出血が起こる現象です。通常の生理と出血にほぼ差異がないことから、その区別がつきにくく、それに気づかない方も多く存在します。
着床出血が起きる原因の1つは、受精卵が子宮に到着し内膜に潜りこむのですが、その際に血管を壊されたために出血したという可能性です。
もう1つは、ホルモン異常による出血です。妊娠すると女性の身体には、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが分泌され、妊娠の状態を継続するために黄体ホルモンが保たれます。しかし、hCGの分泌が少ないと身体が妊娠を認識せず、黄体ホルモンの分泌が低下し、一時的に生理のような出血が起きるのです。
着床出血は妊娠したからといって、必ず起こるものではなく判断もしにくいもの。ただし、出血量が少ない場合は着床出血が考えられるので、正しい時期に婦人科を受診してみましょう。
妊娠
着床出血以外にも、妊娠初期には少量の出血がある場合があります。女性の子宮は妊娠すると、とても血流がよくなり、少しのことでも出血してしまうことがあるのです。妊娠に気づかず性行為を続けている場合、性行為時に子宮の入り口が傷ついてしまい、それによって少量の出血が起きる場合もあります。
更に、切迫流産といって下腹部の痛みや出血が妊娠初期に表れることも。名前で誤解されやすいものですが、お腹の中ではきちんと赤ちゃんは生きていて、安静にしていれば問題なく出産することが可能です。多くの女性が切迫流産と診断されるため、生理と思っていても実は妊娠していて、その症状が出ていることもあります。
もし妊娠している可能性があれば、早期流産(妊娠22周未満に胎児が死亡してしまうこと)に繋がることもあるので注意が必要です。自己判断せず、婦人科を受診しましょう。
病気を患っている
最後に、一番心配なのは病気を患っているというパターンです。あまりにも「過少月経」が頻繁に起きる、他にも身体の不調がある場合には、婦人科で検査してもらうことをおすすめします。
それでは具体的にどのような病気が考えられるのでしょうか。
多嚢胞性卵巣症候群
1つ目に考えられるのは「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」です。これは、女性の身体が男性ホルモンを過剰に分泌してしまい、排卵が起きにくくなってしまう疾患です。
生理周期に乱れが生じ、生理の期間も短くなってしまうことがあります。他にもニキビが出やすくなったり、毛深くなる、肥満になりやすいなどの症状も表れます。
原因ははっきりと解明されていませんが、排卵誘発剤などにより排卵を起きやすくする治療法なども存在するので、生理不順が長年続いている方は婦人科を受診しましょう。
http://www.shimane-u-obgyn.jp/patient/patient-other/133/141/149
子宮瘢痕
2つ目に考えられるのは「子宮瘢痕(しきゅうはんこん)」です。アッシャーマン症候群とも呼ばれ、子宮内に傷跡があるために少量の出血が起きてしまう病気です。
その傷跡は、子宮内容除去手術によって出来ます。この手術は、中絶法を用いたもので、流産後に子宮を綺麗にするために行われます。症状を治すためには外科手術によって、傷を取り除くことが必要です。
https://aska-cl.com/infertility-after_kaiser/