
流産してしまった場合に受ける手術や費用について
妊娠する以上、誰でも起こり得る可能性があるのが流産です。流産が起きてしまうことは決して珍しいことではなく、むしろ初期の時期の流産は妊娠期間中で最も起こりやすいと言えるのかもしれません。
もしも、流産と診断されてしまった場合、どんな処置が必要なのか?どのくらいの費用がかかるのか?流産についての情報をまとめてみました。
流産とは?その種類について
妊娠が分かったときから1日1日出産日に向けてのカウントダウンが始まります。可愛い我が子に会える日が近づくにつれて本当にワクワクしますよね。
しかし、妊娠期間中には様々なトラブルの可能性があります。
今回お話するのは【流産】について。
流産とは、妊娠週数22週未満に妊娠の継続が困難な状態になることを言います。また、流産には3種類の違いがあります。
- 進行流産
- 稽留流産
- 切迫流産
この3種類はすべてが【流産】という一括りの言葉で表現するものの、それぞれ状態が異なります。
- 進行流産
進行流産とは、子宮内にある内容物(胎児、凝結塊など)が体外に排出されてしまう状態です。
出血やお腹の収縮を伴うため、腹痛や腰痛などが生じます。
進行流産の中でも、さらに2種類の呼び方に分類され、子宮内容物の一部が子宮内に残ってしまっている状態を不全流産、子宮内容物が完全に排出されている状態を完全流産と言います。 - 稽留流産
稽留流産とは、胎児が子宮内で亡くなっているものの、体外に排出されず、残っている状態の事を言います。お腹の痛みや出血が見られる場合とそうでない場合があり、つわり症状が続くこともありますので、無症状の場合には発見が遅れ、妊婦健診で突然発覚するケースも多いです。
ある程度時間が経つと、体外に排出される場合があるのでそこで初めて稽留流産に気が付いたというケースも少なくありません。 - 切迫流産
切迫流産とは、進行流産、稽留流産とは大きく状態が異なります。
進行流産や稽留流産は胎児が亡くなっている状態でありますが、切迫流産は胎児が生きている状態です。
ただ、出血やお腹の痛みといった症状が起こり、流産の危険があるといった状態です。
出血やお腹の痛みが落ち着くようになれば、そのまま正常妊娠を継続する可能性は十分にあります。
流産すると手術は必要?その流れは?
流産していると診断された場合、流産した状態に応じて手術の必要かどうかが決まります。
手術が必要のないものは、進行流産の一種である完全流産です。完全流産は子宮内容物が体外に自然排出されていますので手術をせず出血や腹痛が落ち着くのを待ちます。
手術が必要なのは進行流産に含まれる不全流産、そして、稽留流産です。これらの場合は子宮内容物が体外に完全に排出されず残った状態であり、そのままにしておくと感染症を起こしたり出血量が増えてしまったりする恐れがあるため、子宮内容除去術を受ける必要があります。
子宮内容除去術は、その名の通り、子宮内にある内容物を除去する手術です。キュレットと呼ばれる専用器具を使い内容物をかきとる掻爬法(そうは)、そして、吸引器を使用する吸引法の2通りあります。
掻爬法、吸引法、手術最後の内容物をかきとる器具が違うものの、手術の流れは自体はどちらも同じです。手術自体にかかる時間は長くても30分程度であり、場合によっては日帰りで手術をする病院もあります。
ただ、手術が始まる前に子宮口を開くための処置が必要となります。ラミナリア、ラミセルといった専用の器具を使い、ゆっくりと子宮口を広げていきます。この時には全く痛みを感じない、生理痛のような痛み、激痛など、感じ方は様々です。痛みでつらいと感じる場合には、座薬や内服といった痛み止めを投薬してもらえる場合もありますので遠慮せずに医師や看護師に伝えましょう。
そして、十分に子宮口が開いた状態になったときに掻爬法か吸引法のどちらかで子宮内容物を取り出します。
手術中は、点滴による静脈麻酔をかけていますので意識や痛みはありません。また、手術後には子宮収縮を促す薬や抗菌剤が投与されますので、しっかり服用し安静に過ごします。
かかる費用はどれくらい?保険は適応出来る?
子宮内除去術にかかる費用は、病院によって前後するものの健康保険適応のため3割負担となります。1万円から5万円ほどになるケースが多いでしょう。ただ、入院日数や入院部屋の個室代追加などによってはもう少し費用が追加となることもあります。手術前にはだいたいのスケジュールやかかる費用の目安などの説明があることがほとんどですが、不明な点がないように事前に尋ねておくと安心ですよ。
また、任意で加入している医療保険などの種類によっては子宮内容除去術が給付対象である場合もあります。手術前、後、どちらでも構いませんので確認しておくと良いでしょう。
まとめ
流産が起きてしまった時には、状態によって手術の必要がある場合もあります。手術を受ける際には流れ、かかる費用、痛みの有無など不安に思うことは山ほどあることでしょう。
心身ともに大きなダメージを受ける可能性も高いため、少しでも不安に感じることがあればじっくり医師に相談してくださいね。