
気になる、生理中の臭い! その原因と対策
生理(月経)に伴う女性の不快感にはいろいろあります。その中で、特に生理中の臭いが気になって仕方がないという女性も少なくないのではないでしょうか。経血の臭いはもちろん、ホルモンバランスの変化による体臭の変化も気になりますよね。ここでは、生理中の臭いを軽減させる工夫についてご紹介します。
生理中の臭いの原因
生理中の臭いには、大きく分けて2つの原因があります。ひとつは、生理前から生理中にかけての体臭そのものの変化。そしてもうひとつは、経血が主な原因となるデリケートゾーンの臭いです。
細かく見ていきましょう。
排卵から生理中にかけての体臭変化
女性はどなたでも多かれ少なかれ、生理に伴って体臭が変化します。これは排卵の後から生理中にかけて分泌が増える黄体ホルモンの影響です。この黄体ホルモンは汗や皮脂の分泌を高めるため、普段よりも臭いのもととなる雑菌が増えやすいのです。
生理前になると脇の臭いがいつもより気になる、という方も多いかもしれません。これは、普段よりも汗や皮脂が多いからなのです。
また、この黄体ホルモンはおりものを作り出すホルモンでもあります。排卵後、妊娠が起こらなかった場合に出てくるこの粘度の強いおりものもやっかいな臭いの原因となります。
身体を清潔にしていれば気にならない程度の臭いであることがほとんどなのですが、女性は排卵期や生理前、生理中に臭覚が敏感になる傾向があります。そのため、自分の体臭の変化に特に気づきやすくなっているという面もあります。生理前や生理中のナーバスな時期に体臭の心配まで重なり、余計に臭いをきつく感じるという方も多いようですよ。
経血による生理中の臭い
なんといっても一番気になるのが、生理中のデリケートゾーンの臭いでしょう。ふとした瞬間に感じる、酸っぱいような、血なまぐさいようなあの臭い。ただでさえ不快な生理中、それだけで吐き気を催してしまう人もいます。自分でもこれだけ臭いをきつく感じるのだから、周りの人にも気づかれているのではないかと思うと、気が気ではない人も多いでしょう。
身体から排出されたばかりの経血というのは、実はほぼ無臭です。ところが空気に触れると酸化して、雑菌が発生します。これが、臭いの原因です。
生理後の臭い
生理が終わっても独特の臭いが残る場合があります。
これはほとんどの場合、デリケートゾーンの不衛生が原因になることがほとんどです。念のためにとパンティーライナーなどを使用している場合、汚れていないからと長時間つけたままにしていると、それがムレて雑菌が繁殖し、臭いのもととなります。
独特の臭いがいつまでも消えない場合は、感染症など病気の可能性もあります。
あまりにも長く嫌な臭いが続くようであれば、一度産婦人科で相談してみてください。
生理中の臭いの対処法
ここでは、生理中の経血による臭いを軽減させるための方法についてご紹介します。
大前提として、これは生理中に限りませんが、通常女性器を石鹸などでごしごしと強く洗うのは厳禁です。
そもそも膣内は乳酸菌の仲間であるデーデルライン桿菌という菌によって酸性に保たれています。気になるからといってビデを多用したり指を入れて洗ったりすると、デーデルライン桿菌まで洗い流してしまうことになり、かえって感染症の原因になりかねません。
普段は、外陰部を低刺激の石鹸で軽く洗い、シャワーで流すだけで十分です。
定期的にナプキンを変える
経血そのものは無臭であるにもかかわらず、長時間そのままになることで酸化して雑菌が発生し、それが臭いの原因となります。経血は体外に出て約15分後には酸化をはじめ、3時間もたつと雑菌による臭いが強くなりはじめるといわれています。
それを防ぐには、ナプキンをこまめに取り換えるのが一番です。
ナプキンの種類によっては、臭いを軽減させる工夫を凝らしたものもあります。仕事や移動などでナプキンをこまめに取り換えることができない場合は、そういったものを利用しても良いでしょう。
経血を洗い流す
ナプキンは取り換えても、外陰部やアンダーヘアーには経血が残った状態になっていると、そこから臭いが発生します。それを防ぐには、ナプキンを取り換えるのと同時に清潔に保つ工夫も必要です。
シャワートイレであれば、軽く流すのが一番早いでしょう。洗い流せない場合は、トイレットペーパーで丁寧に拭き取ったり、トイレに流せるタイプの赤ちゃん用おしりふきなどを利用するのも良いでしょう。
アンダーヘアーに経血がついて取れにくいという方は、短く処理してしまうのもひとつの方法ですよ。
通気性をよくする
雑菌の繁殖を防ぐためには、通気性を良くし、ムレをなくすことも大切です。
通気性の良いサニタリーショーツを利用したり、普段ズボンをはいているのであればスカートに変えるだけでもかなり変わります。
ナプキンではなくタンポンを利用するのが向いている人もいます。ただし、こまめに取り変えることが大切です。タンポンを長時間使用していると、膣内で雑菌が発生し、ごくまれにではありますが黄色ブドウ球菌によるトキシックショック症候群を発症する可能性もあります。
体質にもよりますが、紙のナプキンをやめ、布ナプキンに変えることで臭いを軽減できる場合もあります。紙よりも通気性が良く、ムレにくいというのが最大の利点です。ただし、外出時などは洗濯や持ち帰りの手間があるため生活リズムによっては使いづらいというデメリットがあります。
興味はあるけれども漏れなどが心配だという方は、まずは生理前や生理後に、パンティーライナーの代わりに布を試してみても良いでしょう。
まとめ
生理中の気になる臭いの原因と対策についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。生理中の臭いの原因は主に雑菌の繁殖によるものだというのがお分かりいただけたかと思います。ただでさえナーバスな生理中を少しでも快適に過ごす参考になれば幸いです。