
性病は早期発見がカギ!性病の疑いがある症状と感染ルートを徹底解説
性行為で感染する病気、性病(性感染症・STD)。たった一度の性行為でも、もし相手が性病を患っていたら感染してしまう可能性があるんです。
性病に感染した場合、大切なのは早期発見と早期治療。放置すると、病状が進行して治りにくくなってしまったり、場合によっては命に関わる危険性も。また、知らず知らずのうちにパートナーへうつしてしまうなど、感染を広げてしまう場合もあります。
「もしかして…。」なんらかの違和感を覚えたのなら、まずはチェック!その違和感が性病の症状に当てはまるのか、しっかりと確認してみましょう。ちなみに、性病にはいくつかの種類がありますよ。主な性病は次の通り。
- 淋病
- クラミジア
- 梅毒
それでは早速、上記それぞれの症状を詳しく解説していきます。
淋病
淋病(淋病感染症)とは、その名の通り、淋病という細菌に感染することで、生殖器を中心に炎症を起こす性病の一種。咽頭、直腸、尿や陰部分泌物の中に淋菌が存在し、性行為・オーラルセックス・ディープキスなどにより感染します。尚、感染してから症状がでるまでの期間は2~7日。
- 感染経路:性行為・オーラルセックス・ディープキスなど
- 感染してから症状がでるまでの期間:2~7日
淋病の症状は、下記表の通り。男性では歩けないほどの激痛が起こることもある一方、女性は症状が軽い傾向があり、無自覚のまま放置してしまうケースも少なくありません。
男性 | 女性 |
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それでは、淋病についてより詳しくみていきましょう。
淋菌性尿道炎
男性にみられる淋病。性行為による感染後、2~7日程度の潜伏期間を経て、強い排尿痛や尿道口から黄白色で大量の膿を排泄した場合、淋病性尿道炎が疑われます。
- 排尿時の激しい痛み
- 黄白色で多量の膿
尚、淋病性尿道炎を放置すると、精巣上体へと感染が広がり、陰嚢の腫れや赤み、38℃以上の発熱を伴う精巣上体炎と呼ばれる炎症を引き起こしてしまいますので要注意。
淋菌性子宮頚管炎
女性にみられる淋病。性行為後、2~7日程度の潜伏期間を経て子宮頸管に感染することで発症します。おりものの増加や軽度の異臭、性交時出血などを認める場合がありますが、明らかな症状が出にくく気づかない場合がほとんど。
尚、淋病性子宮頸管炎を放置すると、子宮から卵管や卵巣へと感染が広がり、不妊症の原因となってしまうので要注意。また、妊婦が感染していると、出産時に感染し、新生児結膜炎を引き起こす可能性もあります。
淋菌性咽頭炎
男女ともにみられる淋病。オーラルセックスやディープキスなどを介し、のどに感染することで発症します。のどの痛みや腫れ、難聴、発熱など、風邪の諸症状と似通っているため、気づかない場合がほとんど。
クラミジア
クラミジアとは、クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)という病原体による感染症のこと。男性の尿道や女性の子宮頚管、咽頭粘膜などに炎症を起こす、日本で最も感染者数の多い性病です。感染経路は、性行為・オーラルセックス・ディープキスなど。感染してから症状がでるまでの期間は1~3週間とされています。
- 感染経路:性行為・オーラルセックス・ディープキスなど
- 感染してから症状がでるまでの期間:1~3週間
クラミジアの症状は、下記表の通り軽度なことが多く、また無症状の場合もあるので、感染に気づかずに放置してしまう危険性があります。
男性 | 女性 |
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それでは、クラミジアについてより詳しくみていきましょう。
クラミジア尿道炎
男性にみられるクラミジア感染。性行為による感染後1~3週間の潜伏期間を経て、排尿痛や外尿道口から粘り気の少ない膿を排出した場合、クラミジア尿道炎が疑われます。
- 軽度の排尿痛
- 透明で粘り気の少ない膿
尚、クラミジア尿道炎を放置すると、精巣上体へと感染が広がり、陰嚢の腫れや赤み、38℃以上の発熱を伴う精巣上体炎と呼ばれる炎症を引き起こしてしまいますので要注意。
クラミジア子宮頚管炎
女性にみられるクラミジア感染。性行為により病原体が子宮頚部に感染することで発症します。おりものが増えるなどの軽度な症状はあるものの、無自覚のまま放置してしまうケースがほとんど。
尚、クラミジア子宮頸管炎を放置すると、子宮から卵管へと感染が広がってしまい不妊症の原因となってしまうので注意が必要です。妊婦が感染していると、出産時に感染し、新生児結膜炎や肺炎を引き起こしてしまう可能性も。
クラミジア咽頭炎
男女ともにみられるクラミジア感染。オーラルセックスなどを介し、病原体がのどに感染することで発症します。しかし、無症状のことが多く、気づかない場合がほとんど。
梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体による感染症のこと。放置すると命に関わる危険性があり、早期発見、早期治療が重要となります。
感染経路は、主に性行為・オーラスセックス・アナルセックス・ディープキスなど。感染してから症状がでるまでの期間は3週間とされています。
- 感染経路:性行為・オーラルセックス・アナルセックス・ディープキスなど
- 感染してから症状がでるまでの期間:3週間
尚、梅毒は、感染からの経過時間と症状により、第1期~第4期梅毒に分類されます。では、経過に伴う梅毒の症状を詳しく確認していきましょう。
第1期梅毒(感染後約3週間~)
感染後3週間程経過すると、感染した粘膜や皮膚に初期硬結という小豆大の小さなしこりができます。しばらくすると、中心に硬性下疳(こうせいげかん)という潰瘍ができ、その後大きく腫れることもありますが、触っても痛みを感じることはありません。また、これらの症状は、無治療でも数週間で軽快してきます。
第2期梅毒(感染後数ヶ月~)
感染後、治療せずに3カ月以上経過すると、手のひらや足の裏、腹や背中など体全体にバラ疹と呼ばれる赤い発疹が複数あらわれます。この発疹は数週間で消えることもありますが、抗菌薬での治療を行わない限り病原体は体内に残ったまま。梅毒が完治したわけではありません。
第三期梅毒(感染後3年~)
感染後、治療せずに3年以上経過すると、皮膚、筋肉、骨、内臓などに硬いしこりやゴムのような腫れ物(ゴム種)ができます。
第四期梅毒(感染後10年~)
感染後、さらに無治療で10年程度経過すると、心臓血管系、中枢神経系が侵され、大動脈瘤や大動脈瘤、進行麻痺などの症状があらわれます。
Q&A
性病の主な症状を把握したところで、ここからは受診する病院や治療費など、性病の気になる『?』について解決していきましょう。
Q.性病を治すのにどれぐらい費用がかかるのか
A.受診する病院にもよりますが、診察と治療をあわせて、およそ3,000~5,000円程度。正しい治療を受ければ、2~3回の通院でほとんどの症例は完治します。
尚、原則健康保険が適用となりますので、健康保険証を忘れずに持参しましょう。
Q.何科に行けばいいのか
A.男性は泌尿器科、女性は泌尿器科あるいは産婦人科を受診してください。
まとめ
性病は、たった一度の性行為でも感染してしまいます。コンドームを使用しないセックスのほか、ディープキスやオーラルセックスでも感染する可能性がありますよ。万が一性病に感染した場合、大切なのは早期発見と早期治療です。何か当てはまる症状や思い当たる節がある場合には、ためらわず早めに泌尿器科や産婦人科などの医療機関を受診するようにしましょう。