
あなたは大丈夫? 勃起するけど射精できない3つの射精障害と治療法
「射精障害」とは勃起に問題はないにもかかわらず、マスターベーションでは射精できるのに女性の膣内で射精できない、極端に射精が早い・遅い、精液が正常に外に出ないなどの射精に関する性機能障害のことです。
射精障害は男性不妊症の原因のひとつでもあります。
なかなか表には出ませんが、決して珍しい障害ではなく、人知れず悩んでいる男性やカップルは多いでしょう。
ここでは、自覚があり何とかしたいと考えている方はもちろん、もしかして自分もそうなのではないかと悩んでいる方に向け、射精障害やその治療法について解説します。
3つの射精障害
射精障害には大きく分けて3つの種類があります。いずれの場合も結婚している男性の場合は不妊治療を行っているクリニック、独身の場合は泌尿器科でも相談できます。
膣内射精障害
マスターベーションでは射精できるのに、セックスで女性の膣内に射精できない状態のことを、膣内射精障害といいます。
強いマスターベーションの刺激に慣れてしまったため女性器の圧力では物理的刺激が得られない、セックスに対して集中できない、などが原因として考えられています。
早漏・遅漏
早漏・遅漏は、射精のタイミングを自分でコントロールできないために起こります。
早漏の場合、パートナーとの性関係に支障が出る場合があり、また重度の遅漏の場合は前述した膣内射精障害とほぼ同等の弊害があると考えられます。
逆行性射精
射精の感覚があるにもかかわらず、精液が出ない状態です。精液が尿道口から出ず、膀胱内へ逆流してしまいます。
正常な場合はオーガズムを迎えると膀胱の出口が閉じ、精液が膀胱内に逆流することを防ぐのですが、様々な理由でそれができなくなってしまっているもので、男性不妊症の大きな原因のひとつです。
膣内射精障害の状態と治療法
ここでは膣内射精障害について、原因や治療法について解説します。
膣内射精障害とは
マスターベーションでは射精できるのに、パートナーとのセックスでは射精できない状態が、膣内射精障害です。程度はさまざまであり、全くできない状態から、極度な遅漏の状態、フェラチオであれば射精できる状態などがあります。セックスの目的は互いの愛を確かめ合うことであり、決して射精がゴールというわけではありませんが、本人や、妊娠したいカップルにとっては深刻な悩みです。男性が主な原因となる男性不妊症の中では、膣内射精障害が半数近くを占めているという統計もあり、また、重度遅漏を含めた潜在的な患者数は、20人に1人の割合になるとも言われています。
膣内射精障害の原因は?
膣内射精障害が引き起こされる要因は大きく2つ。マスターベーションとセックスの感覚差異と、心理的な要因です。また、その2つが同時に起こっている場合も多いようです。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
マスターベーションとの感覚の違い
マスターベーションは自分にとって一番快感を得やすい状態で行われることがほとんどです。布団やマットにペニスを強く押し付ける、ペニスを強く握って激しく刺激する、自分にとってオーガズムを得やすい格好でするなど、人によって様々です。また、ペニス以外の場所への刺激を同時に行うなどのマスターベーションを日常的に行っている場合もあるでしょう。
マスターベーションでの刺激に慣れてしまうと、パートナーと向き合って膣を使うセックスで自分の思った通りの快感が得られず、結果として射精まで至らないというパターンが最も多いようです。
膣内の圧は手で握りしめるよりも弱く、繊細です。また、ある程度姿勢も固定され、ペニス以外の場所への刺激も制限されます。慣れたマスターベーションとの感覚の違いが、射精障害を引き起こす原因のひとつです。
心理的要因
アダルトビデオなどで、過激に演出された映像に慣れると、実際のセックスで自分が女性を(ビデオで観るほど)満足させられていないのではないかという劣等感にさいなまれる場合があります。また、妊活やその他の理由で射精を望むパートナーからののプレッシャー、心のどこかでセックスに嫌悪感を持っていたりするような場合もあるでしょう。
パートナーが好き過ぎる、パートナーへの気遣いが大きすぎる、などが原因となる場合も少なくありません。
そういった劣等感やプレッシャー、考えすぎなどが理由でセックスに集中できず、射精に至らないことも多いようです。
膣内射精障害の治療法
ここでは、実際どのような克服方法があるのかについて解説します。
不適切なマスターベーションが原因の場合
本来、マスターベーションには適切も不適切もなく、自由です。ここでは、あくまで膣内射精不全の克服という観点で、マスターベーションについて解説します。
刺激の強いマスターベーションや独自のマスターベーションを日常的に行っている場合は、膣内射精を前提としたマスターベーションを心がけることで膣内射精障害が改善する傾向にあります。
具体的には、
- ペニスを強く握りしめることをやめ膣圧同等の強さに抑える
- 激しくペニスを手で上下させ刺激している場合は、自分のピストン運動の速さを意識してその程度まで抑える
- セックス時に刺激できない場所への刺激は控える
などです。
適切なマスターベーションを支えてくれる、TENGAの商品
自分ではなかなかマスターベーションの感覚を調整できない、膣内感覚を再現できないなどの場合、TENGAから発売されているメンズトレーニングカップと呼ばれるツールを使うのも良いでしょう。
強い刺激から徐々に膣内環境に近い状態で射精する感覚までの行程をサポートしてくれるもので、刺激の強弱にあわせて、ハードタイプ・ミディアムハードタイプ・レギュラータイプ・ミディアムソフトタイプ・ソフトタイプと、5タイプのカップが展開されています。通常は、ミディアムハードタイプから試してゆき、刺激が足りないようならハードタイプからもう一度試し、射精が可能であればレギュラータイプへ進んでしばらく使用して慣れるといった形で、徐々に刺激の弱いタイプを試してゆきましょう。
基本的にはミディアムソフトタイプ以下での射精が可能になれば、膣内射精の可能性は高くなります。
心理的要因、その他が原因の場合
セックスに対する劣等感やプレッシャー、何らかのトラウマなどが原因となっている場合や、そのほかの原因が考えられる場合については、カウンセリングや医師への相談が一番です。
妊活中の場合などは、不妊治療の担当医師に相談するのが一般的です。結婚していない男性の場合は、男性不妊治療専門医や、泌尿器科で相談できます。数は少ないですが、医学的な要因から膣内射精障害が起こっている可能性もあるので、一度専門医の診断を受け、医学的な問題がないようなら射精障害に関して心理カウンセリングを行っている心療内科などを紹介してもらうと良いでしょう。
早漏・遅漏の状態と治療法
ここでは早漏・遅漏について、原因や治療法について解説します。
早漏・遅漏とは
早漏・遅漏というのは、性交の際に射精までの時間が極端に短かったり、長かったりする状態のことを言います。ですが、セックスはパートナーとのプライベートな問題であり、射精までの時間に「何分」というような基準はありません。
例えば、すぐにオーガズムに達してしまう女性が相手だった場合には何の問題もなかったのに、オーガズムまでの時間が長い女性相手だと「早漏」と言われてしまうなどのケースも存在します。
基本的には、男性が射精までの時間をうまくコントロールできない場合を指すことも多いようです。
早漏・遅漏の原因と治療法
早漏と遅漏は並べて称されることが多いですが、それによる悩みは大きく異なります。ここでは2つを分けて原因として考えられているものと克服方法を解説します。
早漏の原因と治療法
性交時、自分の想定よりも早く射精に達してしまう原因のひとつは、若さやセックスへの不慣れさです。若く、セックス自体に不慣れだと、どうしても射精をコントロールできず、早くなってしまう傾向があります。我慢がきかず、挿入前に射精してしまうケースの多くも、それです。
この場合は、セックスの刺激に慣れていけば自然と改善してゆきます。
そのほか、コンドームを重ねて装着し刺激を鈍らせる方法などもありますが、TENGAから出ているメンズトレーニングカップ キープトレーニングという早漏克服用ツールの利用もおすすめです。
刺激の異なる5タイプのカップを使い、徐々に強い刺激にならしてゆくもので、手間はかかりますが、確実です。
また、少数ではありますが、包茎が原因で刺激に過敏になっているケースや、慢性尿道炎、前立腺の慢性炎症など医学的な疾患が原因の場合もあります。その可能性が考えられる場合は、泌尿器科などへ相談してください。
遅漏の原因と治療法
遅漏の場合は、パートナーのオーガズムを迎える時間が早い場合や、自身の加齢、体調不良による一時的なものなどが多くを占めます。
途中で休憩を挟まなければならないような極度な遅漏の場合は、前述した膣内射精障害の軽いケースであることがほとんどです。原因や治療法は膣内射精障害と同じですので、そちらを参照してください。
遅漏は早漏よりマシ、持久力がある、膣内に射精はできているのだから不妊の原因にはならない、など遅漏は軽く扱われることがあります。ですが、長時間への膣への刺激は膣内の傷や腫れの原因になるなど女性側の負担が大きく、セックスレスの要因になることを忘れないでくださいね。
逆行性射精障害の状態と治療法
ここでは、射精感はあるのに放出しない、逆行性射精障害の原因や治療法について解説します。
逆行性射精障害とは
通常の射精プロセスでは、睾丸で作られた精子は精管内を通り、尿道前立腺部で前立腺液と交じり合ってペニス先端から外へと放出されます。射精の初期の段階で、内尿道口の括約筋が収縮し、膀胱内に精液が逆流するのを防いでいます。
この括約筋は、普段は尿が漏れないように尿をせき止めている筋肉です。この内尿道口の括約筋が働いているおかげで射精の際は尿路が遮断され、尿道は精液専用の通り道になってくれるのです。
逆行性射精とは、この内尿路口の括約筋がうまく閉まらず、精液が膀胱に逆流してしまう状態です。全く精液が放出されない状態から、量が減る状態までレベルはありますが、原因は同じです。
射精したという感覚はあり、膀胱内に逆流したからと言って害はありませんが、精子が放出されないわけですから、不妊症の原因のひとつです。
逆行性射精障害の原因と治療
逆行性射精障害の原因は膀胱の開閉コントロールがうまくいかないことです。
開閉コントロールができなくなる原因としては、前立腺肥大症の前立腺手術、糖尿病との併発、脊髄損傷、腹部や骨盤内の手術の後遺症などのほか、薬の副作用による場合もあります。
逆行性射精は、不妊以外では特に大きな害のないものですが、気になる方や妊活の予定がある方は不妊クリニックもしくは泌尿器科へ相談しましょう。
まとめ
射精障害について、その種類や原因として考えられるもの、治療法などをご紹介しましたが、参考になったことはありましたか?
射精障害には様々な弊害がありますが、何より本人が苦しい思いをしている場合が多いと思います。今回の記事をきっかけに、克服に向けて是非、一歩進んでみてくださいね。