
精子に血が混じっている!血精液症の原因と受診のタイミングとは?
「精子に血が混じっている!」
いつも通り出した精液に突然血が混じっていたら…、かなり衝撃を受けてしまいますよね。
精子に血が混じる、それは血精液症かもしれません。
突如あられたカラダの異変に、何か重篤な病気が潜んでいるのではないかと、良からぬことが頭をよぎってしまいますが、血精液症が原因であればそれほど不安を抱えなくても大丈夫。
精子に血が混じる血精液症とは、一体どのようなものなのか、その症状と起こる原因を深く探っていきましょう。
精子に血が混じっている?それは血精液症かも
冒頭でもお伝えした通り、精子に血が混じっていた場合、血精液症の可能性が考えられます。
血精液症とは、まさに精子に血が混じる症状のこと。精子に新鮮な血液が混入した場合はピンク色、時間が経ち古くなった血液が混じった場合は茶褐色となってあらわれます。
一般的に、射精時に痛みを伴うことはありません。
- 血精液症:精子に血が混じる症状
⇒新鮮な血液:ピンク色、古い血液:茶褐色
⇒射精時に痛みはない
では、血精液症はどうして起こるものなのでしょうか。次の項で、血精液症の原因をご説明します。
血精液症の原因
血精液症の原因は、そのほとんどが前立腺や精嚢(せいのう)の炎症、うっ血など局部の循環障害によるものとされ、まれに、精液の通り道における腫瘍、のう胞、結石などが原因となっている場合もあります。
【主な原因】
- 前立腺や精嚢の炎症
- 局部の循環障害
- 腫瘍
- のう胞
- 胆石など
これらが原因となって起こる血精液症。その症状があらわれた場合、病院へは行くべきなのでしょうか。次の項でその答えを探っていきましょう。
病院に行ったほうがいいの?
実は、血精液症は兆候もなしに突如発生し、検査をしてもしっかりとした原因を特定できないケースがほとんどと言われています。その場合には、特発性血精液症と診断され、数日~数週間で自然に解消していきます。
検査しても原因が特定でいない場合:突発性血精液症
⇒数日~数週間で症状が解消
突然精子に血が混じっているととても不安になるものですが、通常はあまり深刻な症状ではなく、直ちに診察を受ける必要はありません。
では、どのような場合に病院へ行くべきなのでしょうか。診察の必要がある状態と、診察を受けた場合どのような検査や治療が行われるのかを確認していきましょう。
病院に行くことをおすすめする状態
通常は重篤なものではないとされる血精液症ですが、下記のような症状や特徴が見られる場合には注意が必要です。
- 1ヶ月以上出血している
- 陰嚢内にしこりがある
- 住血吸虫症の流行地域(アフリカ、インド、中東の一部など)への旅行
- 35歳以上
出血が長く続いていたり、陰嚢内にしこりを感じるような場合には、速やかに泌尿器科などの専門医を受診してください。また、上記のような注意すべき症状が見られない場合でも、年齢が35歳以上の方はあまり放置せずに、一度医師に診てもらうことをオススメします。
診断と治療法
血精液症で病院を受診すると、まず尿検査が行われ、診察では、精巣・精巣上体などの外陰部の異常を確認し、直腸指診で、前立腺の肥大、圧痛、しこりの有無などを調べます。
問診では、主に次のようなことが質問されるので、事前に自身の症状を確認しておきましょう。
- いつから出血しているか
- 直近で前立腺の生検を受けたか
- 尿路感染症(血尿・排尿困難・排尿時の灼熱感・陰茎からの分泌物など)の症状がみられるか
- 過度の出血傾向があったり、出血を引き起こす持病があるか
- 前立腺の病気があるかなど
尿検査で血尿などがみられた場合には、膀胱や腎臓などを調べるために超音波検査が行われ、さらに異常が認められた場合にはCTやMRIなどが追加されます。
中高年以上の方には、前立腺がんの検査が行われる場合もありますよ。ただし、血精液症でがんが発見される確率は高くないとされていますので、あまり心配しないようにしましょう。
尚、尿検査や診察で、精巣・精巣上体・精管・精嚢・前立腺といった精子輸送路に炎症があると診断された場合は、抗生物質や抗炎症薬での治療が行われます。
ちなみに、通常、血精液症で性交を行っても女性パートナーへ悪影響を及ぼすことはありません。ただし、炎症が原因となっている場合には感染の可能性もあるので、症状が治癒するまでは控えたほうがよいでしょう。
まとめ
精子に血が混じる症状のことを血精液症といいます。
血精液症は、検査をしても原因が特定できない特発性血精液症と診断されることが多く、そのほとんどが数日~数週間で自然に解消していくもの。そのため、あまり心配する必要はありません。
ただし、1ヶ月以上も出血が続くような場合や陰嚢内にしこりがあるような場合には、速やかに専門医を受診するようにしましょう。また、血精液症からがんが発見される確率はあまり高くはありませんが、悪性腫瘍の発生は年齢とともに多くなります。そのため、精子に血が混じっていること以外に警戒すべき症状が見られない場合でも、中高年以上の方は一度医師に診てもらうことをオススメします。